九州TOYOTA 沖縄国頭村発。人の流れを作り、地域課題を解決する

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沖縄県北部にある国頭村は、村面積の約84%が亜熱帯照葉樹林に囲まれた自然豊かな地域。2019年6月、そんな場所で、廃ホテルをリノベーションした「YANBARU HOSTEL」がオープンしました。この宿泊施設。どうやら寝泊まりできるだけではなさそう。ピンポンやボルダリングができるプレイスポット、宿泊者専用のキッチンスペース、そしてコワーキングスペースもあるため、ノマドワーカーにも愛されている……。同ホテルをプロデュースした小山健一郎さんは、事業を通じて次なるプラン「沖縄県宿泊施設再生プロジェクト」を遂行中とのこと。止まることなくクリエイティブな計画に挑戦し続ける小山さんの人生を振り返っていきましょう。

 

沖縄に「人を作りだすホステルを作る」

「ただ『海が見える』や、ただ『沖縄を感じられる』といったホテルがほとんどで、違いを見出すのが難しい」そもそも旅行で訪れる人も多い沖縄県には、たくさん宿泊施設はあるものの、どうしても似たようなものになってしまう……。小山さんは、沖縄のホテル事業に課題を感じていました。「YANBARU HOSTEL」は、他ホテルとクリエイティブな面で差別化するため「遊んで泊まれる」というコンセプトを掲げ、寝泊まりだけでない「ワクワク」を感じられる共同スペースを確保。見事に課題を解決しました。他とは一線を画すスタイルの「YANBARU HOSTEL」は、クリエイティブなビジネスワーカーを中心に、注目の的に。宿泊者や利用者も急増していきました。「未来を背負う若い人たちが、ホテルを通じてコミュニティを作っていくことにやりがいを感じています」

その言葉通り、いまや「YANBARU HOSTEL」から、様々なビジネスが生まれています。現在、クリエイティブプロデューサーとして活動中の小山さんですが、経歴もホテルのように個性的でユニーク。ニューヨークでラッパーをしたり、アパレルブランドのエリアマネージャーを経て、その後はインテリアデザイナーとして活躍するなど、自分が興味を持った「仕事」で生活していく人生を送っているとのこと。さらに経歴を紐解くと、20代前半の頃、当時申し分ない収入を得ていたものの「やりたいことがある」と、一時期ホームレスに。そんな経験からか「ゼロになることが怖くないんです(笑)」沖縄という地で宿泊ビジネスに新しい風を起こそうとする小山さんの「たくましさ」はここにあったのだと合点しました。

 

「沖縄県宿泊施設再生プロジェクト」
クリエイティブの力で、沖縄が蘇える

国頭村は、奥さんの地元。小山さんは大阪出身で、縁もゆかりもない場所でした。しかし沖縄で、大手のホテルやゲストハウスが増えていくなか、命を削ってホテルを営む人たちが埋もれていく現状を目の当たりにした小山さんは「なにかお手伝いをしたい」と思ったのだとか。そうした想いもあって、現在「沖縄県宿泊施設再生プロジェクト」に注力。資金力がない個人経営の宿泊施設が自走できるよう、施設のブランディングをしたり、内装デザインを手がけたりと、クライアントが持つ問題点を解決に導く「施設再生プラン」をプレゼンしています。「沖縄にはアナログな生活が根付いていて、物事の価値は、よりシンプルになっている。対価をもらうよりも、良いサービスを提供することに重きを置いたほうが良い」。今後も、沖縄の資源や特徴を活かした提案をしていきたいと言います。

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「YANBARU HOSTEL」を立ち上げた当時を振り返ると「ホテルの景観を崩されたくない」という声や、地元の方と通じ合えない部分があり、大変なことも多くありました。しかし小山さんはそんなことではへこたれません。状況を打開するべく、直接キーマンに会って想いを伝えるなどして、困難を乗り越えていきました。アイデアと実行力を持つ小山さんが先頭に立ってプロジェクトを立ち上げたからこそ、国頭村の人たちも理解を深めてくれた。

 

未来を見続け
死ぬほど努力をする

小山さん曰く「海の美しさ」「温かい住民の皆さん」「美味しいご飯」と魅力が多い国頭村ですが、人口減少という問題を抱えています。ですが、自然が豊富で、癒し効果も得られるため、クリエイティブな仕事をする人にはぴったりな地域、ということも確か。「今までの人生のなかで、国頭村に来る予定がなかった人をターゲットにしたい」今後は、ホテル事業を通じて地域おこしのプロジェクトを開催し、国頭村への誘致も考えているそう。そんな小山さんが今後挑戦してみたいことは「沖縄でホテル5棟のオープンと、ホテルの内装デザインの仕事で20億円を売り上げること」だとか。達成後はさらにサービスを広げていく。または、個人の活動をもう一度見直すことも考えていると言います。……個人の活動、とは。「昔から、なにかと極めたい欲が強くて(笑)」と前置きした上で「映画を撮りたいですね」

監督業やプロデュース業をするという目標もあるそう。作品のタイトルも『366日のバイオリン』『ダンボール物語』『SNS SOS』など、すでにいくつも案があるのだとか。なんだか、タイトルを聞いただけでも観てみたくなってくるからさすがです。一見、突飛な夢に思われそうですが、小山さんの経歴を振り返ると「きっとやってくれるに違いない!」と期待せずにはいられません。「より自分の強みを活かして、プロフェッショナルな道を極めたい」と話すその目には、10代の少年のような「好奇心」に満ちていました。

 

そんな小山さんが活躍する
沖縄の街で乗りたいのは、このクルマ!
ESQUIRE
[エスクァイア]

「パネルなどの内装もスタイリッシュに仕上げているし、細部までデザインへのこだわりを感じます。あとは車体が大きい割にハンドルが軽くて運転しやすいし、抜け感のある沖縄の1本道も爽快に走れそうですね。僕は4人家族なんですけど、この広さなら荷物を積んでもまだまだ余裕がある。本気でありですね」

 

profile

小山 健一郎さん
「株式会社ARICHITECTS&BOTANICAL」
「YANBARU HOSTEL」オーナー
アメリカ・ニューヨークでラッパー、デザイナーなどを経て、沖縄県・国頭村でホテル事業を展開。現在は「沖縄県宿泊施設再生プロジェクト」として、経営難に陥る個人経営の宿泊施設のサポートを行う。

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